不動産業界のDX化はなぜ進まない?(後編)
前回、不動産業界のDX化はなぜ進まないという記事を上げさせていただきましたが、今回はその続きで、では『どうすれば少しでも進めることができるのか?』
『進めるためには何が必要なのか?』といったところに焦点を当てたいと思います。
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ここからチャレンジ『ペーパーレス化』
ズバリここからスタートが一番手っ取り早いですし、言葉もわかりやすくて効果も体感しやすいのでおすすめです。
不動産業界は契約書や重要事項説明書、物件資料、公図や測量図、埋設図面から要約書など膨大な量になります。
紙の書類を探す手間や、印刷・郵送にかかる時間などを削減でき、業務効率が大幅に向上します。
なんといっても探す時間とスペースがもったいない。
大量の紙書類の中から必要なものを探し出すのは大変な作業です。ペーパーレス化によって、検索機能などを活用し、必要な情報に素早くアクセスできるようになります。保管庫などの物理的な場所の問題もあります。ちなみに会社員の年間150時間は何かしらの探し物をしている時間という統計もあります。
リモートワークが可能になる
コロナが流行したときにはリモートワークが推奨された時期もありました。ペーパーレス化が進んでデータ化されることにより書類の共有が容易になるというメリットは多いに期待できます。クラウドストレージなどに保管していれば過去の書類を参照、閲覧することが可能になります。
ペーパーレス化の具体的なステップ
1,まずは現状の把握
不動産業界の中には電子化に適しているもの、そうでないものあります。
社外とのやり取りに使われているものに関しては相手方の協力も必要になってきますし、時間がかかることが多いので、社内の文書などから見直すといいでしょう。
会議資料や議事録、報告書や日報など閉塞性の高いものをまずは対象にしましょう。
2,電子化の優先順位づけ
量が問題なのか、紙媒体であることの取り扱いに問題があるのかで対応は変わってきます。
参照閲覧より保管義務のみで物理的に縮小できる余地のあるものが優先です。
3,スキャンから始める
OCRを利用したテキスト化などは後回しでも構いません。まずは紙を削減させること、データ化させることを目標としましょう。
4,業務フローの見直し
過去の成功体験に基づく業務の定型化は本当に問題です。むしろこれが正しいと思い込んで固まってしまっていることも多くみられます。
改善点があれば積極的に取り組んでいく社内の体質があるということは非常に重要です。
5,社員教育、意識づけ
新たな仕組みづくりというのはストレスを生むものです。『便利になった』、『業務効率が上がった』と効果を実感するまでには時間がかかることもあります。
この取り組みが将来につながるというイメージを持ってもらうことが必要です
ペーパーレス化による効果
業務効率の向上: 書類を探す時間や、書類作成・管理にかかる時間を削減できます。
コスト削減: 紙代、印刷代、保管スペース代などのコストを削減できます。
情報共有の促進: クラウド上で情報を共有することで、場所や時間にとらわれずに情報を共有できます。
セキュリティ強化: 電子化された情報は、アクセス権限を設定することで、セキュリティを強化できます。
顧客満足度の向上: 情報共有がスムーズになることで、顧客対応の迅速化や質の向上につながります。
ペーパーレス化は、DX化の第一歩として、不動産業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。まずは、過去の書類のスキャンしてデータの蓄積といった簡単なところから始め、段階的にDX化を進めていきましょう。
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この記事を書いた人
2025年03月25日
記事のカテゴリ:不動産テック